
足の血栓は、早めの発見と対処が大切です
足の血栓(深部静脈血栓症・エコノミークラス症候群)は、放置すると肺塞栓症など重い病気につながることがあります。当院では循環器専門医が原因をしっかり調べ、早期発見と適切な治療につなげます。
専門医がサポートします
- 足の腫れ・むくみ・痛みは、深部静脈血栓症(DVT)のサインかもしれません。
- 血栓が肺に飛ぶと肺塞栓症となり、命に関わります。
- 当院では、下肢静脈エコー・心エコー・心電図・胸部レントゲンと迅速検査(Dダイマー・NT-proBNP)で当日診断を行います。
- ピル内服中・長時間の座位(飛行機/バス/車中泊など)は要注意です。
受診の目安
以下のような症状のある方は、気軽にご相談ください。
- 片足の急な腫れ・むくみ
- 足の痛み・重だるさ・熱感
- ふくらはぎを押すと痛い(ホーマンズ徴候)
- 足首やふくらはぎの皮膚が赤紫色になる
- 胸の違和感・動悸・めまいを伴う
- 息切れ・胸痛・咳・動悸を伴う(肺塞栓症の恐れ)
救急受診の目安
呼吸困難、急な胸痛、血痰、意識消失などは肺塞栓症の可能性があり、救急要請が必要です。
受診を迷っている方へ
以下のチェックリストに、1つでも当てはまれば、早めの受診をご検討ください。
- 片足だけが急に腫れた
- 足が熱っぽく赤い
- ふくらはぎを押すと痛い
- 息切れや胸の痛みを伴う
- 動悸・失神・冷や汗が出た
当院で行う検査
下肢静脈エコー(超音波検査)
- 静脈の血流や血栓の有無を直接確認。
心エコー(心臓超音波)
- 右心系の負荷を確認し、肺塞栓症の間接所見を得ることができます。
- 併せて心不全や弁膜症の評価も行い、むくみの原因を総合的に診断。
心電図(12誘導ECG)
- 肺塞栓症では右心負荷型の変化(S1Q3T3型や不整脈など)が出ることがあります。
- 心筋虚血や他の不整脈との鑑別にも役立ちます。
胸部レントゲン(X線)
- 肺塞栓症自体は特徴的所見が乏しい場合もありますが、肺炎・心不全・胸水などの鑑別に重要です。
- 心拡大や肺うっ血の有無を確認できます。
Dダイマー
- 血液中の血栓が壊れたときに出る物質を測定。
- 数十分で結果判定。
NT-proBNP
- 心不全によるむくみ・息切れを評価。
- 肺塞栓症との鑑別や、心臓への負荷の程度を把握するのに有用。
当院の特長
- 循環器専門医による下肢静脈エコー・心エコー評価
- 心電図・胸部レントゲンも含めた総合診断
- 迅速検査(Dダイマー/NT-proBNP)で当日の方針決定
- 基幹病院と連携し、CT検査や入院治療が必要な場合も迅速紹介
深部静脈血栓症・肺塞栓症について

足の深い静脈に血の塊(血栓)ができると血流が滞り、深部静脈血栓症(DVT)となります。血栓が血流に乗って肺に流れると肺塞栓症となり、急激な呼吸困難・胸痛・ショックを起こすことがあります。
また、血栓リスク因子には以下があります:
- 経口避妊薬(ピル)やホルモン補充療法
- 長時間の座位(飛行機・バス・車中泊など)
- 手術後、骨折後、入院中の安静
- がん、妊娠・産褥期
- 脱水、肥満、喫煙
- 心不全や不整脈による血流うっ滞
生活アドバイス
原因に関わらず、役立つポイントをご紹介します。
よくあるご質問
足のむくみ=必ず血栓ですか?
いいえ。心不全・腎疾患・リンパ浮腫・薬剤性などでも起こります。片足のみの腫れは血栓を強く疑います。
Dダイマーが高い=必ず血栓ですか?
感染症・炎症・高齢・がん・手術後でも上昇します。エコーなどの画像検査と組み合わせて診断します。
NT-proBNPが高いのは心不全確定ですか?
年齢や腎機能によっても数値が上がることがあります。心エコーなどと合わせて総合判断します。
ピルを飲んでいますが不安です
血栓リスクが上がります。足の腫れや痛みを感じたら早めに受診してください。
肺塞栓症は防げますか?
長時間移動中にこまめに足を動かす/水分補給/弾性ストッキング使用で予防できます。