病気の知識
心臓の病気
狭心症
「狭心症」とは?
歩行や階段の昇降、食事など身体を動かしたときに痛みが起こるのを「労作性狭心症」、安静時にも痛みが起こるのを「不安定狭心症」といいます。
症状
胸が締め付けられる痛み、押しつけられるような圧迫感、動悸、息切れが特徴です。背中や首の痛み、歯が浮くような感じがすることもあります。
検査と治療
治療は、軽症であれば、禁煙や減量、生活習慣病の改善を行い、冠動脈の動脈硬化を防ぎます。また、症状によっては冠動脈をひろげる薬や心臓の負担を減らす薬を飲みます。
重症の場合は、カテーテル手術や冠動脈バイパス手術が必要になりますので提携病院へ紹介します。
心筋梗塞
「心筋梗塞」とは?
症状
焼きごてをあてられたような激しい胸の痛みが10分から2時間ほど続きます。冷や汗や動悸、息切れ、失神することもあります。まれに、糖尿病患者さんなどでは胸痛を伴わないことがあるため、動悸・息切れなどが続くときは、すぐに受診してください。
検査と治療
心電図や心エコー検査、血液検査などで検査します。心臓の細胞は壊死するとほぼ再生しないため、治療は1分1秒を争います。すぐに提携病院へ紹介します。
不整脈
「不整脈」とは?
症状
ドキドキ動悸がする、脈が異常に遅くなる、脈が飛ぶほか、めまいやふらつき、息切れ、胸の痛みが起こることもあります。また、強い動悸の後にそのまま失神する場合も見られます。
検査と治療
まずは、心電図で心臓の電気信号を調べます。ホルター心電図、心臓エコー検査を行うこともあります。多くの不整脈は治療を必要としませんが、1分間に400〜600回心臓がぶるぶると震え、脈が速くなる「心房細動」のように危険な不整脈もあるため、正確な判断がとても重要です。
心臓弁膜症
「心臓弁膜症」とは?
症状
息切れや動悸、めまい、胸痛が起こります。しかし、症状がじわじわと進行していくため、からだが慣れてしまい、自覚症状がない場合も多くあります。
検査と治療
まずは、聴診で、心臓に雑音がないか判断します。また、心電図や胸部レントゲンで心臓の状態を調べます。心臓エコー検査では、その場で、弁の動きや血液が逆流していないか、などが分かります。治療は、軽症であれば、心臓の収縮力を高める薬や血管を拡張させる薬など、症状に合わせた薬を飲みます。その後も、弁の働きが悪化していないか、定期的に検査をすることが大切です。また、重症の場合は、手術が必要になるため、提携先の病院へ紹介します。
心不全
「心不全」とは?
原因は3パターンあり、狭心症や不整脈、心臓弁膜症など心臓の病気が原因になる場合、高血圧や脂質異常症、糖尿病の「生活習慣病」が原因になる場合、そして、ストレスやかぜ、加齢が原因になる場合があります。
症状
息切れや動悸、強い倦怠感のほか、血液が心臓に戻りきらなくなり、顔や足のむくみが現れます。
また、肺に胸水がたまると、呼吸困難や白っぽい痰、気管支ぜんそくのようなヒューヒューという喘鳴が出ることもあります。
検査と治療
胸部レントゲンで、肺にうっ血や胸水がないか、心臓が大きくなっていないかをすぐに調べます。また、血液検査で心臓に負担がかかったときに出るホルモンなどを調べます。心臓エコー検査では、心臓の動きや心臓の壁の厚さなどがその場でわかります。治療は、原因となっている病気の治療が重要です。心臓の働きを助ける薬や体内の余分な水分を出す薬を飲むこともあります。