アトピー
『アトピー性皮膚炎』とは?
『アトピー性皮膚炎』とは、皮膚にかゆみのある湿疹が現れ、良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。
「湿疹」と「かゆみ」が特徴です
アレルギー体質の方や皮膚のバリア機能が弱い方に起こりやすく、「湿疹」や「かゆみ」が全身にあらわれます。なかなか治らないのが特徴で、一般的には6か月以上(乳児では2か月)続くと、「慢性」と診断します。
おもな症状
- 1.乾燥:かさかさとした皮膚の水分が少ない状態
- 2.鱗屑(りんせつ):フケのようなものが落ちる
- 3.紅斑(こうはん):赤い腫れ
- 4.丘疹(きゅうしん):ぷつぷつした小さな湿疹
- 5.痂皮(かひ):かきむしった後のかさぶた
- 6.びらん:皮膚の表面がはがれ、じゅくじゅくただれた状態
- 7.苔癬化(たいせんか):かきむしることを繰り返して、皮膚が厚く硬くなった状態
また、年齢によってあらわれる場所や症状が変わります。
原因は「バリア機能の低下」と「免疫の過剰反応」
健康な肌は、表皮や皮膚膜などがバリア機能を果たし、外からの刺激や雑菌が体内に入り込まないように守り、水分の蒸発を防いでいます。しかし、アトピー性皮膚炎の肌は、バリア機能が低下して乾燥しており、さまざまな刺激やアレルゲンが入りやすくなります。
さらに、ちょっとした刺激にも免疫が過剰に反応してしまい、かゆみが出やすくなります。かきこわした肌はますますバリア機能が低下し、アレルギーの悪循環が生まれてしまうのです。
『保湿』が治療の基本です
アトピー性皮膚炎の治療でもっとも大切なことは、皮膚にうるおいを与え、バリア機能を低下させないことです。“目黒通りハートクリニック”では、症状や部位、使用感など患者様おひとりおひとりに合わせ、保湿剤を処方します。
『ステロイド外用薬』と『タクロリムス外用薬』
ステロイドは適切に使いましょう
ステロイド外用薬は、薬の強さによって5段階に分けられています。同じ強さの薬でも作用が少しずつ異なり、効果にも個人差が見られます。症状にあわせたステロイド外用薬を適切な量で使うことがポイントです。また、症状がよくなってきたからと言って、自己判断でステロイド外用薬をやめてしまうと急にぶり返してしまうおそれがあります。
タクロリムス外用薬はおもに顔や首に使います
タクロリムス外用薬は、炎症を抑える効果が期待される薬です。おもに、顔や首などステロイド外用薬を長く使えない部位に効果的です。ステロイドのような皮膚萎縮や血管拡張などの副作用がないため、安心して長期にわたり使うことができます。